細川周平・編著「音と耳から考える 歴史・身体・テクノロジー」

音楽学者・細川周平が国際日本文化研究センターで主宰した研究プロジェクトの成果が迫力のボリュームの書籍として刊行。
「音楽」にとどまらず、自然や人、機械などが発するありとあらゆる音を対象に、音を受ける聴覚器官(耳)から発想しながら、音と耳の文化・歴史を問い直す意欲的な論集。

執筆陣が大変に豪華で、音楽や音響はもとより、文学、映画、映像、メディア、ゲーム、アート、美学、歴史、人類学など幅広い分野から内外の気鋭の研究者が参加、アーティストの大友良英、当店でフィールドレコーディング作品を取扱中の柳沢英輔、伊藤亜紗ほかゲストを加えた総勢44人が執筆。
人名索引・事項索引も充実。


目次

細川周平:音故知新──音と耳からの出発

機ゞ舛を聴く──認識と思索
阿部万里江:ちんどん屋の「響き」から考える──日本と英語圏の音研究/サウンド・スタディーズ
岡崎峻:聞きえないものを聞く──水面下の音がもたらす知覚と想像力
昼間賢:ベトナムの一弦琴「ダンバウ」の音響──一つの音の限界から
春日聡:祭祀芸能における〈音と超越性〉
鈴木聖子:「古代」の音(エッセイ)

供(垢海┐討る音
齋藤桂:鈴木鼓村『耳の趣味』を読む
土田牧子:浅草興行街における小芝居の音
細川周平:戦前の騒音問題──テクノロジーと生活の軋む音
CAROLYN S. STEVENS:規制管理される音──東京と福島
栫 大也:騒音と「法悦境」のあいだに──山田耕筰の音と耳(エッセイ)

掘\鐐梓昭和の音響メディア
山内文登:方法としての音──フィールド・スタジオ録音の「共創的近代」論序説
渡辺裕:感性史のなかの戦争──音響学者・田口泖三郎にとっての「音と戦争」
長崎励朗:大大阪のラジオ放送──文化と文明のはざまで
柳沢英輔:フィールドレコーディング作品とその文脈(エッセイ)

検_擦作る共同体
光平有希:昭和前期の松沢病院にみる「慰楽」──治療と日常のあいだに響く音
葛西周:旅するオーディエンス──温泉地の聴取環境考
細馬宏通:有線放送電話の声空間──秦荘有線放送の場合

后〃歿讐修諒弧──ラッパと太鼓
奥中康人:信号音から民俗音楽へ──諏訪地方におけるラッパ文化の生成
中原ゆかり:太鼓音楽の伝承と創作──小口大八の活動を中心に
辻本香子:芸能になる・スポーツになる──中国龍舞の音をめぐる価値の変容について
長尾洋子:おわら風の盆の夜を聞く(エッセイ)

此仝殍譴粒板エ;_散船謄ノロジーの考古学
福田裕大:スコット・ド・マルタンヴィルの業績を再検討する
秋吉康晴:電話は耳の代わりになるか?――身体の代替性をめぐる音響技術史
福永健一:拡声器の誕生――電気音響技術時代における拡声の技術史と受容史
瀬野豪志:みずからの「きこえ」──イヤフォンによる「聴力」と「補聴器」
伊藤亜紗:「口と耳のあいだで」(エッセイ)
木下知威:フィジカル・リスニング──聞こえない身体による聴取(エッセイ)

察.好謄譽の時代──聴く、録る、売る
福田貴成:見えるものと見えないもの――初期ステレオ経験の〈語り〉をめぐって
金子智太郎:市民による音づくり──映画評論家、荻昌弘のオーディオ評論
輪島裕介:「洋楽」をつくる──1970年代後半国産ディスコの産業と文化
日高良祐:MDが架橋するメディア技術(エッセイ)

次(語世界論への挑戦
長門洋平:映画にとって「物語世界の音」とはなにか──ヤン・シュヴァンクマイエル『アリス』を例に
吉田寛:ゲームにとって音とはなにか──ダイエジーシス(物語世界)概念をめぐって

宗.汽Ε鵐匹良集充
中川克志:日本における〈音のある芸術の歴史〉を目指して――1950〜90年代の雑誌『美術手帖』を中心に
柿沼敏江:感覚のアート――フルクサスの実践から
横井一江:OFF SITE、ON SITE──2000年代初頭のオルタナティヴ・シーン
石橋正二郎:非アカデミックな日本のアヴァンギャルド・ミュージックの成り立ち(エッセイ)
大友良英:即興演奏とアジアの音楽家との交流(エッセイ)

勝.妊献織襦Ε潺紂璽献奪ング
谷口文和:イメージを移植する耳──初期パソコン受容に見るミュージシャンシップの形成
城一裕:いつか音楽と呼ばれるもの 試論その二
久保田晃弘:私たちはもっとうまくできます──ライヴ・コーディングの起源と意味を再考する
ポール・デマリニス:真夜中の橋の上での出会い──ネットワークミュージックの夜明け 1976〜1979(エッセイ)

編者あとがき  細川周平

執筆者プロフィール
人名索引
事項索引


215×155mm、640ページ、モノクロ、ハードカバー、2021年。

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