ハイ・ルンブラン「ネンと風」

hai rembulan "Neng and The Wind"

400gsm厚の紙にアクリル絵具、木製フレーム
イメージサイズ A4
額装サイズ 49×33cm
2025年

祖母の家の庭には、一本の「ブングル(Lagerstroemia)」の木がある。
祖母は二十代半ばを過ぎた私のことをいまだに“ネン(お嬢さん)”と呼ぶ。
私はこの季節を「マグリブの季節」と呼んでいる。
それは、乾季と雨季の間のほんの短い“間(ま)”の季節。
ちょうどその頃、ブングルの木は満開になる。
花は1〜2週間ほど咲き続け、やがて曇り空の風に吹かれて散っていく。
あの小さな村で、幼い私は他の国のことを何も知らなかった。
もちろん、日本の桜とブングルの花が似ていることも知らなかった。
初めてアキコから展示の提案をもらったとき、私はすぐにこのブングルの木を思い出した。
なぜなら、小学生のとき、私はスカウト活動で「サクラ」というグループに所属していたからだ。
そのとき初めて、桜が日本の花だと知った私は、強く言い張った——
「ブングルの木はインドネシア版の桜の木なんだ」と。
「きっと、どの国にもその国なりの“桜”がある」とも言った。
ある子は私を笑い、ある子は信じてくれた。——私はそのどちらにも気にしなかった。
“ネン”という語りを日本に持ってくることになって、あの時の弾けるようなやりとりを思い出した。私の大した自信と想像力。
振り返ってみると、私はあの頃からあまり変わっていない。
世界が腐った権力者や、あちこちで続く虐殺に満ちている今、
“ネン”による桜とブングルの木の話を信じることは大した問題じゃない。
信じてもいいし、それがむしろ必要なのかもしれない。
私は春の季節に日本へ来たわけではないけれど、
今の私と“ネン”が桜の木とブングルの木の下に並んで座っている情景を想像する。
それらが一体となって枝を広げ、ひとつの新しい存在になっているようすを。
その木陰には、この展覧会全体の雰囲気と物語がある。
——流動性、クィアネス、自信、むき出しの感情、希望、子ども、ニャイ(年老いた女性)、そして生。



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販売価格 47,000円(税込)
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